鋳造の種類

鋳造(ちゅうぞう)とは金属を熱で溶かし液体状にしたものを型に流し込み、器や美術品を作る金工の技法です。鋳金(ちゅうきん)とも言われ、それによって出来た物を鋳物(いもの)と言います。鋳造には大きく分けて次のような種類があります。

蝋型(ろうがた)鋳造

蝋で作った原型の周りを鋳砂や石膏で覆い固め、加熱により蝋を溶かし出し出来た空間に溶かした金属を流し込む技法です。手間と時間がかかりますが、もっとも精度が高い技法で、原型の複雑な造形や風合いを忠実に表現する事が出来ます。また、継ぎ目のないきれいな鋳物を作る事が出来るのも特徴で、美術品等の製作に適した技法です。関西鉄瓶(京鉄瓶系でよく用いられる鋳造法です。

双型(そうがた)鋳造

外型と、中子(なかご)の2つの型を組み合わせて出来る隙間に、溶かした金属を流し込む技法です。最も歴史のある鋳造技術の一つで、円筒型や円錐型の鋳造品(茶釜、火鉢、梵鐘)などの製作によく用いられます。

焼型(やきがた)鋳造

粘土質の土などで作った型を焼いて水分を取ったあと、溶かした金属を流し込む技法です。細かい所まできれいに仕上がりるのが特徴で、南部鉄瓶などはこの鋳造法で作られています。

生型(なまがた)鋳造

上下枠に原型を入れ砂を入れて押し固めます。原型を取り出すと砂の鋳型ができます。これに溶かした金属を流し込む技法です。コストが安く量産に向いた技法です。

タイトルとURLをコピーしました