銀の特性

銀は原子番号47の元素で元素記号はAgです。(ラテン語での名称argentumに由来)

反射率・化学変化

銀はあらゆる金属の中で最も光の反射率が高く、美しい輝きを持っています。その美しさから、古来より宝飾品やジュエリー、カトラリー等に使用されてきました。

日本ではその美しさから白金(しろがね)とも呼ばれてきました。※プラチナの事も白金と書きますがこちらの読みは(はっきん)です。

貴金属の中では比較的化学変化しやすく、時間がたつにつれて空気中の硫黄分と反応して黒ずみ輝きが鈍くなってきますが、鈍い光を放つ銀には美しい輝きの銀とはまた違った味わいがあり、この状態のものは「いぶし銀」と呼ばれ愛好されています。その為、最初からいぶし銀に加工された製品もあります。(※お手入れをする事によって当初の輝きを保つことも出来ます。)

華やかさはないものの渋い魅力のある物、派手ではないけど実力のある人などの事を「いぶし銀」と呼ぶのはその事からです。

ジュエリーブランドで例えると、銀の持つ美しい輝きを生かし緻密にデザインされた「ティファニー」。いぶし銀の持つ渋い光沢を生かした無骨なデザインが魅力の「クロムハーツ」。対照的でありながら、どちらも銀の特性を最大限に生かしているという点では同じ事が言えます。

錆びにくい性質

銀は金やプラチナに次いで錆びにくい性質を持っています。錆びとは正確には腐食によって生み出される金属の酸化物の事で、銀が黒ずむのは酸化(錆び)ではなく硫化ですので、変色はしても腐食する事はありません。

展延性(素材が壊れずに薄く広くのばすことができる性質)

銀は金属の中では金に次いで展延性に優れ、0.15~0.2ミクロンの銀箔にまでに出来るなど加工性に優れています。

熱伝導率・電気伝導率(熱や電気の伝わりやすさを表す定数)

銀は金属の中で最も熱や電気を通しやすく、その事から日用品、工業用品、電気関連など様々な用途に使用されています。

殺菌・抗菌・消臭作用

銀イオンは細菌などに対して強い殺菌力を持つ為、広く殺菌、抗菌剤として使用されています。また、臭いの原因にも細菌が関係している為、消臭剤としても使用されています。そういった事から、最近では銀イオンを利用した浄水器や洗濯機なども開発され、その効果が注目されています。

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