鉄瓶の選び方

一言に鉄瓶といっても様々な種類があり、日常的に使用するのに適した鉄瓶、造形の美しさを求める鉄瓶、茶道用の鉄瓶、コレクションとして手元に置きたい鉄瓶、等々目的に合わせて選ぶ必要があります。価格帯も一万円前後から何十万、何百万とするものまでピンからキリまであります。

安い物は機械で量産されたものや日本国外で作られたものがあり、材質的にもあまり良い物が使われていない事が多いです。ちゃんとした原材料でまともな職人が造った鉄瓶で1万円前後のものはありえません。これらの事から、あまりにも安価な鉄瓶では、鉄瓶の本来の魅力を堪能することは難しいといえます。

あくまでも目安ですが、鉄瓶本来の魅力を堪能できるものとなると、最低でも3~5万円以上の物は欲しいところです。一生使っていける価値のある物を求めるとなると10万円くらいは見ておいた方がいいかもしれません。高いと思われるかもしれませんが、職人が幾多もの工程を一つ一つ手作りで造り上げる事を考えると、どうしてもこのくらいはかかってしまいます。このクラスになると本格的で、一生ものとして大切に育てていく価値がある鉄瓶といえます。

20万以上の鉄瓶になると、複雑な造形や、金や銀などで美しい細工が施されたものが多く、飾っておくだけでも華があり美術的価値も高いです。

鉄瓶は大きく分けて南部鉄瓶と関西鉄瓶(京鉄瓶)の2系統に分けられるかと思います。南部鉄瓶は岩手県の伝統的な特産品で主に日常用として使用されてきました。関西鉄瓶は京都、大阪などの関西方面で造られた鉄瓶で、装飾に凝ったものが多く、茶道等にも使用されてきました。

一概には言えませんが、こういったことから南部鉄瓶は日常的に使用する際に適した鉄瓶といえ、関西鉄瓶(京鉄瓶)は美術的価値を求める方に適した鉄瓶といえます。とはいえ、南部鉄瓶には南部鉄瓶の無骨で素朴な味わいがありますし、南部鉄瓶の中でも名工の作品は高級なものもありますので、用途と好みによってお選び頂ければよろしいかと思います。

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