錆びさせる事によって錆を防止!?

「錆びさせる事によって錆を防止」と聞くと驚かれるかもしれませんが、錆びには種類があって、良い錆びをつける事によって、悪い錆を防ぐ事が出来るのです。「毒を以て毒を制す」という言葉がありますが、いわば「錆を以て錆を制す」といったところでしょうか。

赤錆と黒錆

錆の種類は大きく分けて、赤錆(あかさび)と黒錆(くろさび)の2種類があります。赤錆は文字通り赤みがかった錆で、鉄を腐蝕させ、ボロボロにする性質を持つ錆です。一般的に錆と言って思い浮かぶのはこちらの方です。

一方、黒錆は通常自然に発生する事はなく、鉄の表面に意図的に作られる酸化皮膜の事をいい、膜が張られる事により赤錆の発生を抑える事ができます。黒皮と呼ばれる事もあります。

金気止め

鉄瓶が造られる工程で、錆防止の為に鉄瓶を高温で焼いて酸化皮膜を作る「金気止め」と呼ばれる(釜焼きや焼抜きとも言う)技法がありますが、これこそが黒錆を作る作業です。

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